東京空港交通に残る2種類の西工ボデーを楽しもう!(2022年9月18日)

2022年秋
東京空港交通
西工02MC&96MC貸切会

目次

はじめに

こんにちは。
今回は2回連続で2022年9月に参加させていただいた貸切会の模様を振り返っていきたいと思います。2022年9月18日に東京空港交通、翌9月19日にジェイ・アール北海道バスをお邪魔しました。今回は1日目の東京空港交通の回です。

お借りした車両は東京空港交通に在籍する西日本車体工業(以下、西工)製のバス2台
西工ボディを載せたバスは2010年の同社解散に伴い生産が終了となり、現在はその数が減っていく一方です。


参考:西日本車体工業製のボディを持つ日産ディーゼルシャーシのバス

西工は西日本鉄道(通称にしてつ)グループのコーチビルダーで、主に西日本の事業者に向けてバスを製造していました。関西以西ではその数を多く見るのですが、東海よりも東側のエリアでは、西工は元から希少価値が高いです。

純正以外の車体を載せたバスは、東日本において富士重工業(現スバル)のシェアが高かったのですが、2000年代になってから、東日本においても西工の採用例が増加しました。

というのも、かつて自らボディメーカーを持っていなかった日産ディーゼル製のバスは富士重工製の車体が標準として架装されていました


参考:富士重工製のボディを持つ日産ディーゼルシャーシのバス

しかし、富士重工業が2003年にバス製造から撤退したため、日産ディーゼルシャーシのバスは西工に標準で架装されるようになりました。それにより、従来は富士重工で指定していた東日本の事業者においても、西工が増えていくこととなったのです。

今回お邪魔した東京空港交通も、富士重工製のバスを導入していたバス会社でした。富士重工撤退後に入った日産ディーゼル車が西工ボディとなっており、それらの最後の生き残りがとうとう勇退するということで、引退前の記念として貸切会が行われたのでした。

→ありがたいことに、当時は残り僅かな寿命とされていたのですが、2023年以降のインバウンド需要の回復などに伴い、引退が引き延ばされて、現在でも5台が活躍しています。記録されたい方はお早めに!!


参考:羽田空港と成田空港、そして東京都心でよく見かける東京空港交通のバス

申し遅れていました。
東京空港交通をご存じない方に、簡単に説明をしますと、同社は羽田空港と成田空港に拠点を構え、空港と都心の輸送を担っているバス事業者です。所謂リムジンバスをメインに運行しております。その他にもエアライン関係者を運ぶシャトルバスや、空港内で沖止めの飛行機までお客さんを運んでくれるランプバスの運行も担当しています。

起用車種は西工02MCボディのスペースアローRA西工96MCボディのエアロミディSです。前者はリムジンバスとして活躍しており、一時は主力車種として君臨していたグループの1台。後者はクルーバスとして関係者が空港内を移動するために使われているバスです。

今回は前者のスペースアローの引退記念というわけですが、後者のエアロミディSも自家用仕様に中扉を付けた中々珍しいカスタマイズなので見所です。

前段が長くなりましたが、例によって移動の様子からお伝えします!

珍しく前入りではなく当日朝出発!

朝が苦手な私は多少無理をしても前日のうちに現地入りしておくことが多いのですが、このときは集合時間に余裕があったこともあり、朝の飛行機で向かうことにしました。


2022年当時は大阪に住んでいたので、朝一でITMに向かい、8時出発のNH16便に搭乗。
2022年はJGC修行をしていたので、本当はJL便で向かいたかったのですが、諸々の事情でNHになりました。

ITMのHND行きはJALとANAで30分毎に交互で出発するので、「8時発がちょうど良かったからNH便になった」と記憶しています。


今回のSHIPはJA821Aボーイング787-8です。
しばらくPW4000エンジンを搭載するB777の運航が停止されていたこともあり、全日空の大型機は787ばかりになりましたね。2023年現在は幹線を中心に777も復帰しております。


安定に後方です。ANAの主力フリートですが、何気に同社のB8は初搭乗でした。
いつもJALのHND-ITM線で787乗っていますが、ANAは同じ787でもエンジンが異なり、Rolls-Royce製の”Trent1000”なので、サウンドが微妙に異なります。ちなみにJAL機の787はGE製の”GEnx”が使われています。個人的にはヨーロッパ企業推しなのでRRが好きです。


この時は何を飲んだんだっけな、、、1年半も経つと記憶が曖昧です笑
スープよりジュース派なので、りんごジュースだったと思われます(推測)

毎度思うのですが、この電子窓、レスポンス悪いし乗客目線だと扱いづらいですよね…。
一括コントロールで暗くしたりできるので、乗員のオペレーションは楽だと思います。


天気予報を全くサーチしていなかった私は、HNDに着陸して拍子抜けでした。
晴天でないのは察していましたが、まさか本降りの雨だとは思っていませんでした。


これから貸切会で撮影なのに「めっちゃ雨じゃん」ってガッカリしながらこの写真を撮った記憶は鮮明に覚えています。隣にいるのも787ですが、こちらは乗っている機体より長い787-9です。加えて、エンジンカウルには「GE」のロゴがあります。

先ほど、「ANAはRRで、JALはGEのエンジンを787では搭載しています。」という話をしましたが、ちょうど2022年のこの頃、ANAにもGEnx搭載の787が納入された!と話題になっていました。早速見ることができて私は嬉しかったです。


当日出発で9時台に現地入りできると中々気分が良いものです。
今日のフライトは2Legなので、東京空港交通の貸切会を終えたら、また空港に戻ってきます笑

羽田空港からは京急で都心方面へ向かいます。京急の羽田空港第1・第2ターミナル駅で使用されているホームドアが優秀なんですよね。この位置にLCD組み込むのは賢いし、実際便利だと思います。


京成高砂行きの快特に乗って、品川を通り越して人形町までやってきました。
乗車した列車は京成3000形3038Fでした。当時の人形町はまだホームドア設置前。


人形町駅から徒歩圏内にある東京シティエアターミナル(T-CAT)が集合場所です。
東京空港交通のリムジンバスが拠点としているバスターミナルです。

T-CATは半蔵門線の水天宮前駅に直結しているので、半蔵門線に乗り換えた方が徒歩量は減らせるのですが、浅草線・日比谷線の人形町駅からも大して離れていないので、乗り換える方が時間がかかってしまいそうです。


途中百円ショップでビニール傘を買ってお散歩しながらT-CATに到着。
記憶がないだけかもしれませんが、初めて訪れました。

T-CATを出発!まずは湾岸幕張PAへ

乗り場に向かい、今回お世話になるバスとご対面。
改めて、詳しく車両紹介をします。


405-80655R2(品川200か1892)/日産ディーゼルPKG-RA274RBN(2008年式)
数を減らしており、近々引退するであろう西工02MC C-1ボディ架装のスペースアローです。
ちなみにシャーシに対しての「スペースアロー」という名称であり、西工02MC C型には「ネオロイヤル」という名称が名付けられています。


西工のトップドア車はお尻がストンと平べったいのが特徴です。
RA274のスペースアローは標準のテールランプが下側だけなので、上に何かしら増設されているパターンが多い印象です。


830(品川200か1886)/三菱ふそうPDG-AR820HAN(2008年式)
こちらは普段エアライン関係者のみが乗れる車両で、一般の方が乗る機会はありません
羽田空港構内を走れるように場内ナンバープレートを備えており、羽田空港を示すRJTTの文字から始まるオレンジ色のナンバープレートが取り付けられています。

エアロミディSというスペースランナーRMとの共同設計の車種です。運転席のインパネなどは日産ディーゼル仕様ですが、エンジンは三菱ふそう製の6M60が搭載されています。



エアロミディS自体が稀少車種ですが、ツーステップの自家用仕様に中扉を付けた濃い仕様なのが曲者です。


エアロミディSが販売されていた時期は、三菱ふそう純正車体のエアロミディの生産が止められていましたが、リアバンパーに設置されたテールランプが、エアロミディイズムを継承しており、個人的に熱いポイントです。同世代のRMも同様の見た目です。

今回乗車する2台を軽く観察したら、出発のお時間です。


しばらく乗車する行程だったので、最初はリクライニングシートで快適なRAをチョイス。
この世代のスペースアロー(RA274)はMTの設定がなく、全車ZF製ATとなっています。
運賃箱横の6連ボタンがATのセレクションボタンです。撮影時は赤色の”P”に入っています。


最近ではあまり見られなくなってきた肉厚系のシートです。
グレーのシートモケットも最近はトレンドではないのか見かける頻度が減りました。

白色の枕カバーも乗り物の座席では定番な気がしますが、バスにおいては近年色の付いたものの方が多く見かける印象です。


2008年式にしては重厚感が漂う、良い意味で古くさい内装となっています(褒め)
補助席を格納している側の肘掛けが、とても立派で快適でした。


1発目はARの方に乗っている方が多かったので、こちらは空いていました。
朝早い出発で疲れていたこともあり、リクライニング全開で楽しみました。


前方にあるディスプレイだけでは後方の乗客が見えないので、車内の中程にも小さなディスプレイが設置されています。B737やA320などの旅客機で頭上に出てくるモニターと似た雰囲気です。

大抵の観光バスなどに設置されているテレビは、後方に2台目を設置する場合、荷棚くらいの高さに設けられることが多い気がします。少なくとも現行の車両には搭載されていないっぽいので、この世代のRAだけの装備だったのですかね…。


先を行く830号車がこちらを先導します。96MCの補助テールランプが可愛い。


東関東自動車道の海岸幕張PAで最初の休憩です。こちらで昼食休憩とします。


西工ファンとしては、同じカラーの西工車が並ぶととても萌えます

と、呑気にバスを眺めていたら、目の前で乗用車同士の追突事故が発生して、双方のドライバーが衝突している現場に出くわしていしまい、複雑な心境でした。所謂おかま掘りです。

おそらく駐車スペース探しに気を取られて、よそ見をしていて、前の車の停止に気づけなかったんだと思いますが、私も他山の石として気をつけたいと思った瞬間でした。


ここのパーキングエリアでは本格的な中華料理メニューを楽しむことができます
NEXCO東日本のドラぷらサイトでは第3位が回鍋肉定食、第2位が中華丼、第1位が麻婆豆腐定食となっているようです。私は担々麺をいただくことにしました。この日は冷たい雨が降っていて、9月にしては寒い日だったんですよね。暖まりたい気分でした。

ネオロイヤルの快適な乗り心地を楽しみながら成田へ


約30分の昼食休憩を終えた私たちは、再び好きな方のバスに乗車して成田を目指します。
明らかに高速道路を走る仕様ではない96MCの中型車がPAに停車している姿は新鮮です。


成田までの道中で、高速道路を爆走していたところ、830号車の水温計上がってしまい小休憩を取ることになりました。


普段、高速で走ることのない車両ですから、エンジンが驚いてしまったのかもしれません。その間、私たちも830号車のエンジンルームを観察するなどして過ごしました。


当時のGPS記録を元に調べてみたところ、酒々井PAだった模様です。
急遽寄ったところなので、あまり場所を分かっていませんでした。

西工02MCは前面がとても丸みを帯びたデザインとなっていますが、前面とは対照的なリアの角張が、左隣のエアロエースと比較するとお分かり頂けると思います。

成田運行事業所で撮影会♪


成田運行事業所に到着し、撮影開始となりました。
撮影中も雨が強くなったり、弱くなったりと、大変な撮影となりましたが、貴重な西工2台をみっちり撮ることができて非常に満足しました。


長年受け継がれているフレンドリー塗装は、シンプルですが、とてもカッコイイデザインです。

東京空港交通のバスの特徴として、床下の荷物収納スペースを最大限確保するために、床下のサブエンジン設置するタイプの冷房装置ではなく、屋根上にクーラーユニットを設置する直結式を選択している点です。西工に限らず全車共通の特徴となっています。


また、フロントのナンバープレート上にある行灯は社名固定となっており、LED式の行先表示器はフロントガラス上部に設置されることも特徴の一つです。今回は引退を記念して「惜別2005-2022」と表示しております。

西工02MCは乗降扉下部にウィンカーランプを増設している車としていない標準仕様の車が存在しますが、東京空港交通は前者となっています。


目力が強めで釣り目気味なのが、西工02MCを引き締めています。
2000年代以降に誕生したバスは、セレガーラやエアローエース・エアロクイーン共にバンパーの存在を感じさせないデザインとなっていますよね。

フロントガラス上部が丸く湾曲したデザインは、先代の西工92MCから引き継がれている要素です。同じくコーチビルダーの富士重工が製造する、角張ったデザインで洗練させた1M(02MCと同世代)とは、対照的なデザインです。どちらも先代の雰囲気を残しつつ、現代風にアレンジしている点は共通です。


非公式側の眺めです。真横で撮影すると、やはり12m車は長いなと当たり前の感想を抱きます。冷房機器を全て屋根上に持って行くことで確保した3箇所のトランクが目立ちます。後方のルーバーも長方形のものが5つあり、インパクトがあります。


余計なものは付けたくないという意思が現れているようにも思える、このリアデザインが個人的にはお気に入りです。830号車の方も同様ですが、細長の補助テールがリア中央に設置されています。路面電車などでも見かけるものです。

RAシリーズは96MC架装の路線バス含め、公式側に田の字のルーバーがあるのが特徴です。田の字の左上が欠けてしまっているのは、尿素水の投入口が設置されているためです。


216-90742RU(成田230あ9503)/日野2TG-RU1ASDA(2019年式)
お借りしている車両以外も少し撮影させていただきました。
こちらは、元々リムジン用として導入されましたが、2022年より貸切車に転用された216号車です。色々な行先を表示して下さり、楽しむことができました。


KLMオランダ航空のCrewbus表示です。
実際にCrewbusの運用についているのかは知りませんが、色々な航空会社のデータが入っていると思うと、航空ファンとしてもワクワクしてきますね。


こちらの216号車は、フルカラーLEDを搭載しているのでKLMのカラーであるブルーがしっかり表現されています。王冠をコンセプトにしたロゴマークまでしっかり再現。


486-20553M96(品川200か2468)/三菱ふそうQRG-MS96VP(2012年式)
セレガと並ぶ同社の主力車両であるエアロエースも1台撮影できました。
特筆する点のない車両ですが、東京空港交通のリムジンの特徴として多くの車両にトイレが設置されております。距離に関係なく車内で用を足すことのできる安心感は、運賃が高めに設定されているだけあります。


バス撮影の合間で、事業用2トントラックも撮影させていただきました。
日野のデュトロです。しっかり空港用のナンバープレートも搭載されています。
830号車は羽田空港の構内ナンバーだったので”RJTT”でしたが、こちらは成田空港用のナンバーとなっているので”RJAA”表記となっています。


続いて830号車の観察・撮影タイムです。
自家用仕様の面影をしっかり残しているのが、フロントガラスです。

路線バス仕様の96MCとは異なり、方向幕スペースが確保されていないので、天井ギリギリまでフロントガラスが延びています

また、路線バス仕様では大抵ガラスが2枚に分割されていて、2つのワイパーが中央で合掌するような形でセットされていることが一般的です。

しかし、こちらの自家用仕様では、フロントガラスが1枚窓となっており、ワイパーはトップドア車の02MCなどと同じように下部にセットされる形態となっています。(一般乗用車などと同様のスタイルです。)

フロントガラスが大きくて1枚ガラスのバスに、内側から小型のLED式行先表示器を設置しているパターンは、私の大好物です。地元にもそんなバスが走っておりました…笑


行先表示を社幕の「東京空港交通」に変更していただきました。
収容力を確保したい場合や山道の走行など特殊な事情により、ツーステップ車を購入したい場合、一般路線バス仕様のラインナップからツーステップ車が消滅し、購入することができなかったので、自家用モデルを改造したという事例は各所で見られます

2020年代の現在では、自家用モデルにおいても低床化の波に押されてしまい、ツーステップモデルは各メーカー消滅しました。

東京空港交通においても、830号車が充当する空港関係者輸送のシャトルバスには新型のエルガミオが投入されており、ノンステップ化がなされています。特注でもツーステップにできる選択肢の残されていた約10年前の遺物が830号車などのバスというわけです。


メトロ窓ということもあり、非公式側だけを見ると、自家用仕様そのままです。
ふそうの6M60エンジンを搭載するAR820は、ふそう純正同様、非公式側にルーバーがあります。


「830」の社番を協調したかったのか、あるいは空港用の構内ナンバープレートとのバランスを考慮してなのか、ナンバープレートは中央ではなく右側にオフセットされています。

また、クーラーはサーモキング製の中型向けのモデルを搭載。PDG規制のスペースランナーRMやエアロミディSは、クーラーキセが車体後方に設置されているのが一般的ですが、重心の関係か前方に設置されているのも特徴です。


885(成田200か120)/日野U-HU2MPAA改(1995年式)
ラスボスはこちら!観光マスクの3扉ブルーリボンです。
このバス目当てで参加されていた方も、いらっしゃったように記憶しております。


俗に路線バスと呼ばれている仕様の車両に、所謂「観光バス」と呼ばれるトップドア車の顔面を取り付けた、観光顔の路線バスは、マニアから人気が高いです。

この手のタイプはスクールバスや企業の送迎など、特定輸送に使われていることが多く、稀少車種なのです。そうした観光顔の路線バスが大手のバス事業者に在籍していると、物珍しくて、もてはやされるのであります。


固定窓など東京空港交通らしいカスタムは入っているものの、非公式側とリアだけを見ると普通の日野ブルーリボンであり、一般的な路線バスの見た目をしています。


観光マスクのブルーリボンというだけで盛り上がるのですが、このバスのスゴいところは三扉なところです。東京空港交通が担当している空港内のランプバスにおいては、三扉車がメジャーとなっております。

「観光マスクの路線バス」と同様に、「三扉の路線バス」というのも、マニア受けの良いジャンルです。この二つの要素が合わさった車両ってなかなか無いので、見応えがあります。

中扉と後扉は、下部がガラス張りとなっていて、スケルトンな見た目に。
京王バスなど下部ガラスにこだわりのある事業者で見られた仕様ですが、三扉でうち二つにガラスが付いていると、見た目のインパクトが強めです。


長らく同社の最古参ランプバスとして活躍していた885号車ですが、ちょうどこの貸切会が行われていた2022年9月に、公式で購入希望者を募っておりました。オークション形式で、一番高い金額を提示した者に譲渡されたようです。

その後、目撃情報が上がっていないので、どこかバス事業者や個人のマニアに譲渡された可能性は低く、リサイクル業者が一番良い値で買い取った説が強いと思っています。


撮影をしている間に、雨が強まってきました。
車両移動中は屋根のある場所に雨宿りをしながらの撮影となりました。
雨脚が強い中、車両の移動にご協力いただいた職員の皆様には頭が上がりません。


各車両撮影を満喫した後は、並びの撮影で〆ます。
貸切会参加日が雨だと正直ガッカリするのですが、ここまで強めの本降りになると、残念を通り越して、雨の滴るバスの写真かっこいい!!(小並感)と思い、むしろ撮影が楽しくなってきます笑


今回のお目当て3台の並びには、とても満足しました。
これを撮影できただけで、成田まで足を運んだ甲斐がありました。


天気には恵まれませんでしたが、クセの強いバス達をゆっくりと形式撮りすることができて、嬉しかったです。成田運行事業所の皆様、お邪魔しました。

エアロミディSのエンジン上で、うたた寝をして羽田へ


さて、メインイベントを終えた私たちは、再びこの親子のような2台に乗って、東京国際空港(羽田)に向かって、帰ります。行きはずっとネオロイヤル(RA)に乗ってきたので、帰りはエアロミディS(AR)に揺られることにします。


830号車、96MCのエアロミディSの車内がこちら。
非公式側に2人掛の前向きハイバックシートが並んでおり、公式側は最前の所謂オタ席と最後部エンジン上座席を除き、横向きのロングシートとなっています。

青色でこの形状のハイバックシートを見ると、元神奈川中央交通のスヌーピーバスを思い出します。似たような形状をしていますよね。乗車時間が短い空港職員のシャトルバスにしては豪華な車内だと思います。


照明は名古屋市営バスなどの公営バスで採用されていたような、中央1直線に蛍光灯が並んでいる明るい贅沢な構成です。照明が多いおかげで、車内が明るく感じます。吊り革はなく、立って乗車する方は握り棒を掴んで下さいね、という仕様です。


クーラーは車内前方に張り出しております。いすゞLVでもよく見るスタイルです。
前述の通り、通常の路線仕様のエアロミディSはクーラーが後方にあるので、自家用ベースならでは特徴が出ている見どころですね。


換気扇は藤森電機製。
この型のカバーが好きで、5年ほど前にバスフェスで購入し、今でも実家でタンスの肥やしと化しています笑 もう生産終了しているのか、現行モデルのバスでは見かけません。


路線バス仕様だと方向幕周辺が完全に覆われていますが、自家用ベースのこちらの車両はフロントガラスが屋根の高さまであるので、行先LED表示器がある部分以外からは、光が差し込んできます

空港職員しか利用しない想定なので、運賃収受を考慮する必要が無く、運賃箱は搭載されていません。運賃表もなく、唯一搭載されているのは停留所名と時刻だけ表示できる、かつて均一運賃のバス事業者でよく見た懐かしい表示装置となっています。


運転席は基本的に共同設計のスペースランナーRMと同一となっています。
ただし、ステアリングのロゴマークが「NISSAN DIESEL」ではなく「三菱ロゴ」になっている点がポイントです。

この車、路線バスにおいて標準的な5速MTではなく、6速MTとなっている点も、自家用ベースを感じさせるポイントです。6速なので、今回RAと共に爆走させても何とかなっている節がありますね…。とはいえ運転はしんどいと思いますが…乗務員さんご苦労様でした。


往路では多くの方々がARに乗車されていたのですが、復路では皆さんRAに乗り換えまして、ARは私ともう1人(と乗務員さん)のトータル3人だけの寂しい車内でしたが、気持ちよくエンジン上の座席で爆睡させていただきました。


途中、高速道路が混雑していましたが、無事こちらの車両の本拠地である羽田空港に到着することができました。


後ろを追いかけてきたRAの方も、一緒に到着しました。
今回はFriendly NSK-UD Limousineの団体名を掲示して走行してまいりました。
その名の通り、東京空港交通の西工車をどっぷり楽しむことができたと思います!


405号車とはこれでお別れです。2008年からのお勤めご苦労様でした。
記事を作成している2023年現在で、東京空港交通に残っている02MCは、目撃情報を見る限り456(品川200か2063)、457(品川200か2064)、458(品川200か2065)、854(品川200か1706/クルー用)の4台っぽいです。興味をお持ちの方は、是非最新情報を調べてみて下さい。


この引退記念表示とても良いので、本当に東京空港交通からRA274が消滅する際に、改めて表示させて走って欲しいものです。2025年まで活躍したとしたら、同社を20年間支えた名車両と言うことも出来そうです。


ということで、そろそろ今回お借りした2台を見送る時間が近づいてきました。
やはり東京空港交通のフレンドリーカラーは空港ターミナルで一番映えるなと思いました。


屋根に達している大きなフロントガラスを側面から!

西工の路線バスって結構カクカクした形状のイメージを持たれている方が多いかもしれませんが、フロントガラスは両端が車体形状に合わせて湾曲しているんですよね。

58MC、96MCと同様のスタイルで受け継がれていますが、この端が丸みを帯びたフロントガラスも西工の好きなポイントです。

96MCの中型車でありながら、立派な電動ミラーを装備している点も推せます

おわりに


お借りした2台は一旦降車所を出ていき、撮影のために1周して頂くことに。
練習で撮る290ほど、流しがバッチリ決まる現象に名前を付けたいです笑



ターミナルを疾走する西工2台を撮影して、今回のプログラムは終了です。
ハンドルを1日握って下さった2名のドライバーさん、東京空港交通の皆さま、主催の方には、この場をお借りして改めて感謝申し上げます。

今回はここまでです。
この後、当時住んでいた大阪の自宅に帰るのではなく、札幌行きの飛行機に乗って、ジェイ・アール北海道バスの貸切会に参加します。その模様は次回お伝えしますので、お楽しみに!

最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。
また次の記事でお目にかかりましょう。