【いすゞ&日野】本当に必要?初の純国産連節バス誕生!

純国産連節バスが誕生!バスヲタが感想を語る

こんばんは。
先日国産初の連節バスの発売リリースがいすゞと日野からありました。

これまで意外にも日本国産の連節バスというものは存在していませんでした。近年は日本でも自称BRTにおいて連節バスを使用するケースが多く見られるようになってきましたが、どれもベンツやスカニアなど海外メーカーの輸入品。

過去には富士重工製の車体を持つ連節バスも製造され、現在でもその一部が現役で残存していますが、それらも国産のように見えてシャーシは海外から輸入してきたもの。

このことからこれまで純国産の連節バスは無かったことが言えます。
もっとも日本のような狭い国には連節バスの需要が低いということもあり、国産の連節バスが求められていなかったという背景も加えて記しておきます。

ところが2017年になっていすゞと日野の共同による純国産連接路線バスの開発が発表。
それから2年間、ジェイバスを中心に開発が進められてきました。

その間、国内の至る所でデモカーの試運転が行われ目撃情報も多数あがっておりました。

デモカーはジェイバスの現行車種であるエルガの構体を利用したもので、バッテリーが屋根上に搭載されていたことからブルーリボンハイブリッドベースになることも判明していました。

令和元年(2019年)5月24日 発売”予告”リリース

そして5月24日に発表がありました。
それは近日中に開発を進めてきた純国産連節バスのリリースがあるという内容でした。

通常だとリリースの前にリリースの告知をするということはまずないので力を入れた大告知だったことが言えるでしょう。

近日中に発売が開始される国産連節バスの概要

5月24に発表された内容は下記の通りになります。
この車の重要な特徴や個人的に着目した点を太字にしております。

◆車両の特長
・輸送性
定員120名※1という大量輸送能力を備え、乗客の利便性と輸送効率向上に貢献します。
※1 仕様により変更あり。

・乗降性・バリアフリー
前車室はフルフラットとし後車室もノンステップエリアを広く確保するとともに、連節バスとして最適なシートレイアウトにより、乗客の利便性、快適性を実現しています。

・ハイブリッドシステム
小排気量でありながら十分な高出力・高トルクを発揮するA09Cエンジンを採用し、ハイブリッドシステムとAMTの協調制御による変速の最適化を図っています。エンジンとモーターの間にクラッチを配置することでエネルギー回生効率を向上させるとともに、モーターのみによる発進を可能にし、省燃費と環境性能を追求しました。

ドライバー異常時対応システム(EDSS)<路線バス世界初>
ドライバーに急病などの異常が発生した際、乗客や乗務員が非常ブレーキスイッチを押すことで、減速して停止します※2。立席の乗客の安全性に配慮し、路線バスに適した制御としています。
※2 国土交通省策定「ドライバー異常時対応システム」技術指針に準拠。

◆ITS技術
・プラットホーム正着制御
路面上の誘導線をカメラで認識し、自動操舵、自動減速によりバス停へ誘導することで運転操作を支援します。バス停側の対応とあわせて、隙間・段差を解消することで、円滑な乗降を実現します。

・協調型車間距離維持支援システム(CACC)※3
先行車の加減速の操作情報を通信で後続車に送ることにより、先行車との車間距離を高精度に制御し、無駄のない、スムーズな加減速を実現します。
※3 本システムは自動車専用道路での使用を前提としています。

・衝突警報
ミリ波レーダーにより障害物および先行車両を検知し、衝突の可能性がある場合はディスプレイ表示や警報音でドライバーに警告します。

・路車間通信・車車間通信※4
バスの走行特性に対応した路車間通信(ITS専用周波数)による安全支援(赤信号注意喚起、赤信号減速支援、右折時注意喚起、信号待ち発進準備案内)や、バス優先の信号制御を行う高度化PTPS(公共車両優先システム:Public Transportation Priority System)に対応。車群走行時には、車車間通信も活用し車群の構成や台数を把握し、車群単位での信号通過やバス停発車を支援する機能も備え、輸送力や速達性・定時性の向上に貢献します。
※4 高度化PTPSを含む車群走行に対応したシステムは、トヨタ自動車も含めた3社共同開発。

・視覚支援カメラシステム
車両内外にカメラを設置、ドライバーはモニターで監視します。車外に設置したカメラは、車両停止時に車両周辺の移動物を検知し、ドライバーにアイコンの点滅と音で警報を行います。

発売告知とはしつつも情報の多くは5月24日の時点で公表されました。

この時点で下記の特筆点が確認できました。

・A09Cエンジン採用でトランスミッションはAMT
・路線バスで初となるEDSSの採用
・自動操舵・自動減速機能の搭載
・路線車への本格的なミリ波レーダーの搭載

なかなか面白いバスになりそうです。

令和元年(2019年)5月27日 発売リリース

そこからたった3日後の5月27日に正式に国産連節バスがリリースとなりました。

名称は…

いすゞ「ERGADUO(エルガデュオ)」
日野「ブルーリボンハイブリッド 連節バス」

と発表されました。


あのダサい290系をベースにした割にはカッコよく仕上がっているのではないでしょうか。
最近のバスにしては珍しく、私も早く生で見てみたいと思えました。

しかし、なんと安直な名前でしょうか。

いすゞ安定の既定路線(エルガやガーラの後に適当なアルファベットを付ければいいという考え)はさることながら、日野の方はブルーリボンの後にゴチャゴチャと言葉がくっつきすぎていて「もうちょっとどうにかならなかったの感」がスゴいです。

ネーミングセンスが相変わらず無くて、そういうところもある意味日本らしいなと思います笑
国産らしく名前も日本らしいダサネームにしたのでしょうか(皮肉

せっかく日本のバス”にして”は力入れて頑張っているなという印象だったのですが、名前で台無しです。もうちょっと革新的なイメージを持ってもらえるような名前にできなかったのでしょうか。これぞまさに「取って付けた」という表現が正しい。

国産の連節バスってどんなバスなの?

それでは国産連節バスの詳細をピックアップしていきましょう。

エルガに直6エンジンが復活!


エンジンはA05Cと思いきや…A09Cを搭載。
私もデモカーの頃からてっきりブルーリボンハイブリッドの足回りもそのまま移植するものだと思い込んでいたので5月24日のリリースでも「A09C」であることを見落としていました。

やはりいくらモーター補助があるとはいえ直4の非力エンジンで巨体を動かすのは厳しかったのか、現行セレガーラの標準出力車で用いられている日野製のA09Cエンジンが搭載となりました。

トップドア車でしか馴染みのないエンジンですからどんな音色を奏でるのか楽しみです。

ここまでも述べている通り連節バスはハイブリッド仕様のみの販売となっており、ハイブリッド用のアシストモーターは90㎾、バッテリーは6.5Ahとこの辺はブルハイと同様の仕様になっています。

※追記
いすゞの主要諸元表にバッテリー容量が6.5Ahと記載されていたためそれに倣って記事を書きましたが、報道メディア向けの説明会では「7.5Ah」と案内されていたようですので恐らくいすゞの主要諸元表が間違っているものと思われます。

日本の道路環境に適合した連節バス


従来のQ尺と大きく変わらない小回り性を発揮します。
海外のメーカーが販売する連節バスだと日本の狭い道路環境に合わず、都市部の幹線道路や専用道路でしか活躍の場が無かった連節バス。こればかりは実際に客を乗せて実車運行をしてみないと分かりませんが、これまでよりも多くの場で連節バスが活躍できるようになると良いですね。

あっそれと、5月27日に新たに公開された情報として全長があります。
これは24日にも公開できたんじゃないの?と思いましたが、最後まで検討が続いたのでしょうか。

18mだそうです。

いくら日本の環境にフィットしているとは言え、連節バスという乗り物の特性上、長くなってしまうのは仕方がありません。くれぐれも追い越しには要注意です。

車内

車内前方より車内の特徴を見ていきましょう!


運転席はブルーリボンハイブリッドに準じて日野製のパネルを採用しています。
各種ボタン横にはドライバー用のEDSSボタン、そして仕切りパネルにも乗客用のEDSSボタンが設置されています。ドライバー本人あるいは乗客がドライバーの異変に気づいたら即座にバスを停止させることができます。高速バス向けのEDSSとは異なり、立ち客がいることを考慮して急ブレーキにはならないようにプログラムが組まれているようです。

連接バスには多くの死角ができてしまうため、運転席には沢山のモニターが設置されドライバーはモニターを見ながら運転をします。

そして地味にグライドスライドドアが復活しています。
やっぱり「ノンステップバスの前扉はこれでなくっちゃ!」と思っているのですが、現行のLV/KV290では折戸に変更となっていました。今回連節バスで突然復活した理由は不明ですが、”フロントオーバーハングが一般のLV/KV290より長くなったと思われるのでそれによるスペース確保””連節バスにはふんだんに資金が投じられていることからケチって折戸にする必要が無い”という二つの理由ではないかと私は推測しています。真相は不明ですが…。


トランスミッションはブルハイと同じく日野製のAMT「Pro Shift」ですが、一般のブルハイとは異なり6速から7速に変化して多段化されています。セレガーラで同じA09Cエンジンを搭載するモデルも7速MT仕様になっていて乗務員さんからはいい話を聞きませんが、これもだいぶ忙しいシフトアップとなりそうですな笑

クーラーは引き続きデンソー製のパッケージクーラーですが、連節バスは2両分搭載されているのでクーラーの操作パネルも倍に増量ドライバーはずっと前の車両にいるので空調の調整に苦労しそうですね。AT化とかの前にもっとこの辺がハイテクにならないのかしら…。


この辺の仕様はLV/KV290とほぼ同じ。
ですが、タイヤスペース部分に2つの座席を強引に押し込んだ関係で後ろ向きの座席ができています。これは実際に導入する事業者さんの方で前向きの座席に改められそうですね。


2両目の連節部分付近にはEDSSボタンとインターホンが設置されています。
恐らく混雑時かなんかに後方の車両で急病人やトラブルが発生した場合に前方にいる乗務員と通話ができるようにするものなのでしょう。この辺は鉄道車両の非常通報ボタンに通ずるものがあります。

そして2両目にもしっかり消火器が設置されています。
連節部分付近に立つことは原則禁止だそうで、そこのスペースは店員に含まれていないとのこと。ちなみにこちらの連節バスの定員は120名になります。詰め込めば140~150名はいけそうです。一般路線バス(長尺)の約1.7倍といったところでしょうか。

連節機はHubner製、アクスルはZF製と海外製の連節バスで実績のある部品は今回の国産連節バスでも使用されています。


初期フルノンステップバスの失敗は忘れてしまったのでしょうか。
低床式路面電車などでも例がありますが、ことごとく日本人には受け入れられてこなかった対面式座席の登場です。1両目のところでも対面シートがありましたが、後方車両にも存在します。どうにかならなかったのでしょうか。

恐らく後ろから3列目の後ろ向きの座席は前向きになって納入される車両が大半になるかと思われます。足をタイヤハウス上に置くことになるので少々窮屈ではありますが、その方が対面で反対側の人と目が合うよりはよっぽど居心地が良いです。

終わりに

こんな感じでテキトウにバスヲタク目線で国産連節バスの感想を書いてきました。まだ実車に触れていないので情報だけを見た状態での感想になります。よって実車がデビューして乗れるようになったら再び連接バスに関する特集記事を出すかもしれません。

日本人にとって(勿論日本のバスヲタにとっても)あまり馴染みのない連接バスがやっと国産で誕生したわけですから、今後どのように展開していくのかに注目したいところです。統一化が進みつまらなくなる一方の日本のバス車両業界の中で久々の明るい話題だと思ったので記事にさせて頂きました。

ところで5月24日のリリースに記載されていた画期的なITS技術の搭載は見送られたそうです。今後も改良が加えられて進化していくでしょうから楽しみですね!

それでは失礼します。

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