京都バス123号車貸切会(2023年1月14日)
目次
はじめに
こんばんは。
今回は筆者が今年最初に参加した京都バスの貸切会の模様をお伝えして参ります。今回お借りした車両は希少価値の高い日野のシャーシに富士重工ボディを架装したバスになります。
今回の起用車両は嵐山営業所所属の123号車(京都22か6504)。
1997年に京都バスが自社発注で導入した車両になります。形式で表すとKC-HU3KMCA。高出力型のK13型エンジンを搭載する標準尺の車です。
京都バスは西日本車体工業のボデーを持つバスが多く活躍する西日本地域では珍しく、長らく富士重工製のバスを多く導入してきた事業者であります。
私自身、京阪神でのバス貸切会参加は初めてでしたのでとてもワクワクしておりました。北海道、東北、関東と貸切会に参加してきましたが、自分の住んでいる(当時)関西エリアでの貸切会にこれまでご縁が無かったのです。
京都市内から周山へ
途中、中川地域のレトロな街並みを楽しむ
京都駅八条口出発だったのですが、私は途中の立命館大学から乗車。
ここから西日本ジェイアールバスの高雄・京北線を辿って周山駅を目指します。
途中の栂ノ尾でトイレ休憩。
この日は生憎の雨模様でしたが、強い雨にはならず小雨で済んだのが不幸中の幸いでした。
雨の滴るボディがカッコイイものです。
前後扉の車って標準尺でも十分長く感じますよね。
結構京都バスのカスタム要素が濃厚で、ステップ灯が奥にも付いていて夜間でも足元を照らしてくれるようになっています。こういうところに気づくと楽しいのがバス趣味の醍醐味です。
再びバスに乗車し、フォトランのスポットまで移動します。
山城中川のバス停付近で下車。
清滝川を挟んで向かい側には相当古そうな家屋が所狭しと並んでいます。
昭和にタイムスリップしたような雰囲気を味わうことのできるエリアとなっています。
清滝川に沿ってカーブを描いている道を駆け抜ける123号車を撮影します。
西日本ジェイアールバスの停留所とも絡めて撮影することができました。
非常に雰囲気が良いですよね。
バスが来ないと静まりかえっているような地域なので、バスが見えてきたときの安心感があります。
川沿いに道路、そして道に沿って並ぶ家屋。
水運、陸運と時代背景が変わっても、道に沿って人々が暮らすことが変わらないんだなと実感させられます。
一段上がった橋からマニアが横並びにバスを撮影している光景は、山奥で撮り鉄が撮影しているのと重なるものがありました。
街並みだけでも画になりますよね。
バス抜きでも普通に撮影意欲が高まるエリアだと思いました。
今日は小雨が降る天気なので空は霞んでいます。
晴れているのも良いですが霧がかっているのもフォトランでは映えます。
1周目で良い写真を撮ることができましたが、2周して下さったので縦構図で撮ってみました。
冬らしい山肌がちょっと寂しい雰囲気をかき立てます。
「北山杉」という京都府を代表する木が覆い茂っています。
この辺京都市北区中川地域は集約的な林業地として有名です。
123号車に乗ってひとまず目的地の周山を目指します。
車内ではクイズ大会も行われ、盛り上がることができました。
この車両、補助席も備えるワンロマ仕様となっており、ガイド用マイクまで装備されていました。
京都バスで周山駅にお邪魔しました
周山駅に到着しました。
こちらではトイレ休憩と形式撮り、方向幕回しを楽しみました。
周山駅というのは別に鉄道が通っているわけではなく、西日本ジェイアールバスおよび京北ふるさとバスの拠点となっているバスターミナルです。
国鉄バス時代の名残で「駅」として呼ばれており、近年では稀少になりつつあるバス駅の1つです。
京都駅から西日本ジェイアールバスが「高雄・京北線」という路線を運行しており、ここまで私達の乗車している123号車はほぼそのルートを辿って走ってきたわけです。
昔はこの先の区間も西日本ジェイアールバスによる運行でしたが、現在は民間の「京北ふるさとバス」が運行を担っております。その京北ふるさとバスの車庫としても周山駅は機能しているというわけです。
バス乗り場は薄暗く、日中時間帯はバスの留置場として使われているようでした。
待合所は国鉄バス時代の雰囲気が残り、時代に取り残された空気感が漂っています。
周山駅にやってくるバスが描かれていますが、京北ふるさとバスのフォーマットに合わせられていて、西日本ジェイアールバスまでもが日野ポンチョで描かれています。JRバスの方にはポンチョはいないはずなのですが幻のバスが誕生していて面白いポイントですね。
もちろん周山駅は京都バスが乗り入れてくるエリアではないため、1台だけカラーの異なる123号車は異彩を放っています。
京北ふるさとバスは中型車で運行されており、エルガミオなどが並んでおりました。
ここの事業者の面白いところは現在でも方向幕ばかりということです。
「特急 国際会館駅」
この休憩時間中に方向幕車ならではの楽しみ、幕回しを行って下さいました。
「快速35 京都産業大学ゆき」
筆者は京都バスに詳しくないので、撮影した中から個人的に好きだったものを選りすぐり。
「京都産業大学 上賀茂シャトル」
レアかどうかの判別が付かないので好きだなと思ったものを載せております笑
「応急車」はどう見てもレア表示かと思います。
京都バスでは応急車が故障車を牽引して連れて帰ることをしているのでしょうか…ネット上で都営バスが都営バスを牽引している画像を何度か見ていますが、大抵はレッカーが来るイメージです。
京都バスには自由乗降区間があり、幕にもその旨が記載されています。
自由乗降バスとはバス停から乗車するのではなく、タクシーのように乗客が好きな場所で乗り降りすることができるバスのことを言います。山間の地域を走る路線で多い印象です。
このバスの側面幕は後扉の左横窓下に設置されています。
窓枠に設置されるのがポピュラーですが、車体に埋め込まれるタイプの方向幕が私の性癖にささります笑
西日本車体工業のボディのように路肩灯が車体側に埋め込まれています。富士重工含め一般的な路肩灯は出っ張っているのですが、これも京都バスのこだわり仕様なのかもしれません。
京都バスの後面幕は小さめなのが特徴です。
123号車は前後にマーカーランプが付いているのもカッコイイ点です。
「指づめに注意」という注意喚起がされているのはバスでは珍しいかもしれません。
鉄道車両ならば大抵貼られていますが、これは新鮮に感じました。
そしてこの日のお気に入り写真の1つがこちらです。
公式側の中央部分に社紋が取り付けられています。こういったものはシールで済まされることも近年では多いのですが、ちゃんと金属製の立体的なプレートなのが得点高いです。
たまたま雨模様だったのも水滴がついて良い感じです。
ということで周山駅の車庫内でじっくり123号車の見た目を楽しませて頂きました。
周山エリアで風景を絡めたフォトラン
周山駅から京都バスが出てくるのも今回限りの光景です。
ちなみに方向幕が上賀茂シャトルとなっていますが、幕回しの途中なのでご安心を。
周山駅近くの京北庁舎前に移動。
景色がとてもよく、どこを切り取っても画になるので撮影していてとても楽しいです。
余談ですが、富士重工7Eの角張ったナンバー灯が好きなんですよね。
純正日野車体は小さいナンバー灯なので、ここだけを切り取ると日野車に思えません。
公道走行中は社幕でしたが、側面幕もしっかり社幕に対応しています。
この位置に設置されているということは「しめきり」などもあるのでしょうかね~。
周山地域ののどかな街並みと絡めて123号車を撮影。
乗用車もそこまで多くなかったので被られるリスクが低く、撮りやすかったです。
ウッディ京北で昼休憩!
雨の中トンネルを潜り抜ける123号車を撮影
撮影を終えたら乗車して「ウッディ京北」という道の駅へ向かいます。
123号車の運転席後ろには最近見かける機会の減った「急停車にご注意」の表示灯が設置されています。これのある地域で育ったので懐かしさを感じます。
ウッディ京北では約60分の昼休憩。
地元の産品が多く取り扱われているのでここで昼食を入手して食べることに。
チョイスしたのは「あるう京北」謹製の柿の葉寿司。
駅弁と言えば柿の葉寿司の印象が強く、車内でも食べやすいのが良いですよね。
次のフォトランポイントである神楽坂トンネルまで移動します。
日野のバスと言えば細くて艶々の黒いステアリング!これが一番好きです。
ちなみにシフトレバーはフィンガーでFFシフトなので、富士重工7Eの車体からFFシフト特有の「ツー、カツー♪」を聴くことができます。
次は神楽坂トンネル手前で下車。
トンネルから出てくる123号車を狙い撃ちします。
LEDに換装されたヘッドライトと黄色のフォグランプを輝かせて出てきました。
今日は天候が不安定でトンネル撮影をしていたら雨が強まってきてしまいました。
雨が強くなってきてもバスに乗っている分には濡れずにエンジンサウンドなどを堪能することができますから、快適に楽しませて頂きました。
富士重工車の好きなポイントの1つが非常口のハンドルカバー。
光沢のある赤いカバーで角の削れた形状なのが特徴。
休憩では皆さんと交流!亀岡では最後のフォトラン!
そしてやってきたのは道の駅「スプリングスひよし」。
この辺は完全に車社会ということもあって道の駅の数が多いように感じますね。
スプリングスひよしはキャンプフィールドや天然温泉も備えており、宿泊に適した道の駅となっています。
隧道好きとしてはこの穴が何の穴なのか気になって仕方がありません。
観光スポットの日吉ダムの近くという立地もあってか、天候が悪いにもかかわらずそれなりの数の利用者で道の駅は賑わっておりました。
ここでは乗務員様の休憩の意味合いが強かったのですが、参加者同士での会話が弾み交流を深めることもできました。
また、123号車をじっくり嘗め回すように観察することもできてよかったです。
普段京都産業大学の学生さんくらいしか頻繁に乗る機会はない車両ですので、こんなにじっくり京都バスの日野富士を眺めることができるのも今回だけです。
バスの世代やシャーシを見分けるので一番有用なのは後方のルーバーです。
この縦長で右上が欠けているルーバーなのが日野シャーシの証です。
約40分間の休憩の間に雨も落ち着いてきたのでここで集合写真を撮ることができました。
前後扉車の貸切会に参加するのは今回が初めてだったのですが、前後扉だと前扉と後扉との距離感が広くホイールベース全てを使うことできるのでバスの公式側に横1列で参加者が並んで写真を撮るというのが適している知見を得ることができました。
スプリングスひよしを出発した私達は、最後のフォトランスポットの亀岡にあるアンダーパスを目指します。
バスは再び京都市内の方面に向かって走って行くのですが、往路では上の北側ルートで進んできたのに対して、復路は亀岡市などがある下の南側のルートを通って帰ります。
亀岡に近づくと建物も多く街中の雰囲気が漂ってくるようになりました。
新しめのアンダーパスを潜って出てくる123号車の姿を撮ることができました。
辺りは薄暗くなってきており、終車灯を灯した赤色の方向幕を際立たせることもできました。
今回の京都バス123号車貸切会で一番気に入っている写真ですね。
ここで今回のフォトランは終了。
あとは解散場所の西院駅に向けて余韻を楽しむのみです。
運転席上の車番と乗務員さんの名前の掲示スペースが、方向幕の明かりを利用して電照式になっているのが特徴的です。このスタイル、私は初めて見ました!
亀岡市はひらけていて都会的ですが、京都市内へ戻るにはもうひと山越えなければなりません。山越えのくねくね道を軽快な手捌きでバスを操る乗務員さんのテクニックを見るのが楽しかったです。
123号車車内のご紹介
あ、そうそう、忘れていました。車内のご紹介です。
座席構成は最前部の所謂オタ席だけ一人掛けで、それ以外は全て二人掛けの豪華仕様。
吊革は公式側にのみ設けられており、丸型で茶色のものとなっています。
座席モケットには京都バス沿線の名所が描かれています。
京都らしい雅な雰囲気のデザインとなっています。
車内中央部にポールが設けられていないので降車ボタンは座席裏にも設置されています。
そして補助席が沢山設置されていることもこのバスの特徴です。
観光バス顔負けの仕様で、ワンロマでありながら収容力も十分です。
日よけがあるのも有り難いポイント。
今回は真冬で雨だったので使用しませんでしたが、真夏の晴天の日には活躍しそうです。
観光バスらしい仕様がこんなところにもあります。
各座席、座席番号が振られているのは路線バスでは珍しいです。
側面幕が車体下部に設置されているため、どうしても座席と干渉してしまいます。
ご丁寧に「カバーに御注意」とプレートが貼られているのも良いですね。
その1つ前の席にも若干方向幕のカバーがはみ出しております。
角がとがっているので肘などをぶつけて痛い思いをしないようにクッションが設置されています。非の付け所がないというか、抜かりない配慮が素敵ですね。
優先座席もステッカーではなくプレートがネジ止めで取り付けられています。
身体な不自由な方への配慮なのか手すりが設置されています。
123号車に搭載されている座席は「GOLDEN SEAT」という名称のようです。
京都大原 三千院へは是非阪急電車と京都バスを組み合わせてお越し下さいとのことです。
奇しくも私は阪急沿線民なので123号車に乗る前も乗った後も阪急電車を利用します笑
京都バス側が阪急のダイヤなども考慮して時刻を策定しているのでしょうかね…。
前後扉のバスは最後部エンジン上座席の目の前に入口があります。
富士重工7Eらしい目一杯広げられた窓寸法の扉も好きです。
先ほどもご紹介したガイド用のマイクです。
貸切会では主催の方が前方で案内放送を行うことが大半ですが、どうしても最後部座席に座っているとエンジン音にかき消されて聞こえないことがあります。
そんな悩みをこのマイクは解決してくれました。
マイクジャックだけでもいいから全てのバスのオタ席でマイクを使えるようにしてほしいものです(そんなオタクの望みは絶対に実現しないと思いますが笑)
京都バスの運賃表はレシップ製1画面液晶のものが使用されています。
西院駅で解散!一部メンバーで打ち上げへ!
123号車は無事に西院駅に到着。
現地で解散となり、一部メンバーだけ牛角で打ち上げをすることにしました。
結局西院駅近くの焼肉屋は予約が一杯で短い時間しか滞在できないとのことで、再び北に上りわら天神前の牛角でご飯を食べることになりました。
全員北海道出身組での食事となったので、色々な話に花を咲かせました。
京都駅でお見送りをして京都市バスウォッチング!(おまけ)
食事を終えた後は名古屋へ帰る方を見送るため205号系統で京都駅へ。
今更知ったのですが、京都市バスはここの路線図を見ることで所属営業所を判別することができるのですね。所定とは違う営業所が代走を担うこともあるんで、車番だけでピンとこない場合はここを確認するのが確実のようです。
京都駅にやってきました。
乗車した車両は九条営業所の京都200か1253(PJ-LV234N1/2006年式)。
200番台の循環路線の場合、「○○”まで”」と記載されているのが行先です。
つまりこのバスは九条車庫止まりということです。
「まで」が無い表示は「方面」の意味に過ぎず、表示されている地名が終点というわけではありません。これが京都市バスの難しさです。
反対の八条口側にある東海道新幹線の改札口まで見届けて、残った私ともう1人は京都駅のバスロータリーでしばしのバスウォッチング。駅舎に反射する京都タワーの光が綺麗です。
京都市バスでは少数派のオレンジLEDの表示器。
BRCハイブリッドの一部に搭載されていますが、フルカラーLEDへ統一の流れだと思うのでこれもいつまで見られるか分かりませんね…。
7コマ分停留所が表示されており、かなり情報量が多く感じます。
それと京都市バスは系統番号が左側ではなく右側にあるのも、見慣れていない方にとっては違和感があるかもしれません。
古参車がやってきたのでカメラを再び取り出して撮影。
京都200か941(PA-LR234J1/2005年式)
こちらは横大路→烏丸→横大路と古巣に戻った個体。
ここ最近中型の新車が多数投入されているのでそろそろ危ないです。
京都市バスのエルガミオはアイシン製AT車となっており走行音も独特です。
洛西所属の京都200か1194(PJ-LV234N1/2006年式)
こちらは赤色の終車灯を灯していますね。
方向幕車が絶滅してしまうとこれが見られなくなるので残念です。
こちらも洛西から京都200か1151(PJ-LV234N1/2006年式)
終バスの1本前は終前灯という緑色のライトが方向幕を照らします。
おりばの方に「ぎおんよるバス」が到着しました。
車両は錦林所属の京都200か1696(ADG-AA273MAN/2007年式)
20時から21時30分にかけて運行されている「ぎおんよるバス」は急行バスです。
フルカラーの白地表示は非常に眩しいです。写真だけではなくリアルでも同様です。
ちなみに22時以降は運行区間を四条河原町~京都駅間に縮めた「かわらまちよるバス」が運行されています。
寒いですし、ちょうど方向幕車も来たのでぼちぼち帰ることにしましょう。
洛西所属の京都200か1148(PJ-LV234N1/2006年式)です。
205号系統は九条営業所の管轄ですが、このように洛西の車が入っています。
これが先ほど取り上げた代走運用です。
205号系統で幕車を見る機会も減りました。
この光景も近い将来貴重になるでしょうから記録しておきましょう。
ということで私は阪急電車に乗り継ぐので四条河原町で下車。
ご覧下さい。方向幕の変化にお気づきでしょうか。
京都駅出発時は「四条河原町・北大路バスターミナル」でしたが、ここまでの走行中に幕を「金閣寺」に変えています。
先ほどのおさらいですが、循環系統の行先表示は「方面」の意味です。
京都駅の時点では「四条河原町方面」だったわけですが、今、四条河原町を通り過ぎたので今度は「金閣寺方面」と案内しているわけです。
進んでいくごとに幕を回して案内を変えていくのも京都市バスの特徴です。
これはフルカラーLEDの車両でも同様なので今後も受け継がれていくことでしょう。
ただし循環系統も先ほどのように「九条車庫”まで”」と表示されたら、九条車庫で本当に終点となるのです。205号系統だと「北大路バスターミナル”まで”」の区間運行なども見ることができます。
ということでおまけの京都市バスの話題で脱線してしまいましたが、京都バス123号車の貸切会レポートは以上となります!
おわりに
今回は2023年1月14日土曜日に参加した京都バス123号車の貸切会の模様をお伝えしてまいりました。楽しんで頂けたでしょうか。
この場をお借りして当日ハンドルを握って下さった乗務員様、規格に協力して下さった京都バス関係者の皆さま、そして主催の方に感謝申し上げます。
最後までお付き合い頂きまして、ありがとうございます。
また次の記事でお目にかかりましょう。
【注意】バス事業者へこの記事の内容を問い合わせることは絶対にしないようお願いします。